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【転職に有利?】エネルギー管理士って何をする人?~エネルギー管理士の職務と役割・選任される工場等について

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【マイナー資格?】エネルギー管理士試験ってどんな試験?~エネルギー管理士試験[電気]の出題問題と免状交付申請について
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エネルギー管理士試験に合格し、晴れてエネルギー管理士の免状を交付されたら、その後一体どんな仕事をするのでしょう?

エネルギー管理士って何をする人なのか、いまひとつわかり辛いと感じてられる方は少なくないのではないでしょうか?

今回はエネルギー管理士の資格を取得したら、どのような仕事に就くことが出来るのかについてまとめてみました。

本記事は、

『経済産業省 資源エネルギー庁 省エネルギー政策について-事業所向け省エネ関連情報』のサイトより引用しています。

引用元:事業者の区分と義務 | 工場・事業場の省エネ法規制 | 事業者向け省エネ関連情報 | 省エネポータルサイト

用語について

引用元のサイトの解説をする前に、まずは基本用語を整理することにしましょう。

特定事業者/特定連鎖化事業者

特定事業者/特定連鎖化事業者

事業者(=企業、学校、病院など)全体の年度のエネルギー使用量(原油換算値)が合計して1,500㎘/年度以上である場合は、事業者に対し特定事業者として指定する。

フランチャイズチェーン事業等の本部とその加盟店との間の約款等の内容が、経済産業省令で定める条件に該当する場合は、その本部が連鎖化事業者となり、加盟店を含む事業全体のエネルギー使用量(原油換算値)が合計して1,500/年度以上の場合には、本部に対し特定連鎖化事業者として指定する。

エネルギー管理指定工場等

エネルギー管理指定工場等

特定事業者が設置している個別の工場や事業場等の単位でエネルギー使用量が1,500/年度以上である場合は、各工場・事業場をエネルギー管理指定工場等として指定する。

  • 第一種エネルギー管理指定工場等…年度間エネルギー使用量(原油換算値㎘)3,000㎘/年度以上
  • 第二種エネルギー管理指定工場等…年度間エネルギー使用量(原油換算値㎘)1,500㎘~3,000kℓ

選任すべき者

エネルギー管理統括者

エネルギー管理統括者
【選任すべき場所】
  • 特定事業者/特定連鎖化事業者
【役割】
  1. 経営的視点を踏まえた取組の推進
  2. 中長期計画のとりまとめ
  3. 現場管理に係る企画立案、実務の統制
【選任・資格要件】
  • 特になし。ただし、事業経営の一環として、事業者全体の鳥瞰的なエネルギー管理を行い得る者。(役員クラスを想定)
【人数】
  • 1人

エネルギー管理統括者になるには、特に必要な資格はありません。(但し、経営に関与する役員クラスの人から選任される必要があります。)

エネルギー管理企画推進者

エネルギー管理企画推進者
【選任すべき場所】
  • 特定事業者/特定連鎖化事業者
【役割】
  • エネルギー管理統括者を実務面から補佐
    1. 経営的視点を踏まえた取組の推進
    2. 中長期計画のとりまとめ
    3. 現場管理に係る企画立案、実務の統制
【選任・資格要件】
  • エネルギー管理士 又は
  • エネルギー管理講習修了者
【人数】
  • 1人

エネルギー管理者

エネルギー管理者
【選任すべき場所】
  • エネルギー管理指定工場等
【役割】
  • 第一種エネルギー管理指定工場等に係る現場管理(第一種指定事業者を除く)
    • 製造業等5業種(鉱業、製造業、電気供給業、ガス供給業、熱供給業)※事務所を除く
【選任・資格要件】
  • エネルギー管理士
【人数】
  • 業種・当該工場のエネルギー消費量に応じて1~4人

エネルギー管理員

エネルギー管理員
【選任すべき場所】
  • エネルギー管理指定工場等
【役割】
  • 第一種エネルギー管理指定工場等に係る現場管理(第一種指定事業者の場合)
    1. 製造業等5業種(鉱業、製造業、電気供給業、ガス供給業、熱供給業)の事務所
    2. 上記以外の左記以外の業種(ホテル、病院、学校等)
  • 第二種エネルギー管理指定工場等に係る現場管理
【選任・資格要件】
  • エネルギー管理士 又は
  • エネルギー管理講習修了者
【人数】
  • 1人

エネルギー管理士がなることのできる役職

上記、選任すべき者の役職の内、

  • エネルギー管理企画推進者(エネルギー管理講習修了者でも可)
  • エネルギー管理者(エネルギー管理士のみ)
  • エネルギー管理員(エネルギー管理講習修了者でも可)

の3つについてはエネルギー管理講習修了者、もしくはエネルギー管理士(=「エネルギー管理士免状」の交付をうけているもの)のいずれかから選任しなくてはなりません。

また、エネルギー管理者については、エネルギー管理士(=「エネルギー管理士免状」の交付をうけているもの)から選任しなければなりません。

 第一種エネルギー管理指定工場(製造業、鉱業、電気供給業、ガス供給業、熱供給業の5業種)の事業者は「エネルギー管理士免状」の交付を受けているもののうちから、当該工場のエネルギー消費量に応じ一定人数(1~4名)の「エネルギー管理者」を選任しなければなりません。

引用元:ECCJ 省エネルギーセンター / エネルギー管理士の制度

エネルギー管理者になるには、エネルギー管理企画推進者エネルギー管理員になるよりも、条件が厳しいと言えます。

エネルギー管理者の職務

エネルギー管理者の職務は以下のように決められています。

 エネルギー管理者は、エネルギーの使用の合理化に関して、エネルギーを消費する設備の維持、エネルギーの使用の方法の改善及び監視、その他経済産業省令で定める業務の管理を行います(省エネ法第11条)。

 また、エネルギー管理者は、その職務を誠実に行わなければならないとの規定があるほか、事業者はエネルギーの使用の合理化に関しエネルギー管理者の意見を尊重しなければならないこと、従業員は、エネルギー管理者の指示に従わなければならないことが規定されています(省エネ法第45条)。

引用元:ECCJ 省エネルギーセンター / エネルギー管理者の職務

エネルギー管理講習について

エネルギー管理講習の詳細はこちらになります。

  • エネルギー管理講習の修了者は、エネルギー管理企画推進者エネルギー管理員に選任することができます。
  • エネルギー管理講習は、受講資格に制限がなく、誰でも受講できます。
  • 事業者は、エネルギー管理講習修了者の中からエネルギー管理企画推進者又はエネルギー管理員を選任している場合には、当該者に定期的*に資質向上講習を受講させなければなりません(*講習を受けた日の属する年度の翌年度の開始の日から起算して3年。ただし、講習を受けた日の属する年度の翌年度の開始の日から起算して2年を超えた日以降に選任した場合は、選任した日の属する年度の翌年度)。

指定状況について

前年度のエネルギー使用量が原油換算で1,500㎘以上の事業者である場合、翌年度5月末日までに『エネルギー使用状況届出書』の提出が必要です。
申請すると、特定事業者又は特定連鎖化事業者に指定されます(初年度のみ)。

内訳として工場・事業場においてエネルギー使用量が原油換算で1,500㎘以上の場合、使用量に応じて第一種/第二種エネルギー管理指定工場等指定されます。

令和2年9月末時点の、特定事業者等の指定状況、および第一種/第二種エネルギー管理指定工場等の指定状況はこちらにあります。

リンク先のエクセルデータを用いて、少しまとめてみました。

特定事業者等指定状況について

特定事業者等(特定事業者、特定連鎖化事業者、認定管理統括事業者)の指定状況についてまとめました。

順位業種事業者等の数
1地方公務1182
2食料品製造業885
3化学工業712
4輸送用機械器具製造業652
5プラスチック製品製造業(別掲を除く)463
6医療業427
7不動産賃貸業・管理業401
8鉄鋼業345
9金属製品製造業341
10窯業・土石製品製造業341
11電子部品・デバイス・電子回路製造業314
12飲食料品小売業309
13学校教育307
14娯楽業306
15宿泊業299
16飲食店238
17非鉄金属製造業236
18パルプ・紙・紙加工品製造業232
19各種商品小売業225
20その他の小売業200
特定事業者等の指定状況(令和2年9末時点)
特定事業者等一覧(上位20位まで)~令和2年9月
特定事業者等の指定状況(上位20位まで~令和2年9月末時点)

  • 地方公務は、地方自治体の役所のほか教育委員会、警察などが含まれます。
  • 最多の地方公務に続き、食料品製造業化学工業輸送用機械器具製造業プラスチック製品製造業が続きます。
  • 食料品製造業化学工業輸送用機械器具製造業プラスチック製品製造業において、多くのエネルギーが使用されることがわかります。

第一種及び第二種エネルギー管理指定工場等指定状況

第一種及び第二種エネルギー管理指定工場等の指定状況についてまとめました。

順位都道府県エネルギー管理
指定工場等の指定数
1愛知県845
2大阪府531
3兵庫県433
4北海道358
5福岡県346
6岐阜県274
7広島県236
8三重県229
9岡山県199
10滋賀県194
11福島県171
12富山県164
13静岡県147
14愛媛県146
15石川県142
16茨城県140
17東京都139
18山口県138
19京都府136
20神奈川県133
21熊本県124
22宮城県118
23千葉県117
24埼玉県109
25香川県101
26福井県101
27岩手県100
28沖縄県97
29大分県97
30鹿児島県92
31栃木県90
32青森県89
33山形県88
34秋田県85
35群馬県82
36佐賀県78
37宮崎県74
38奈良県68
39徳島県65
40新潟県62
41島根県62
42和歌山県61
43長崎県58
44長野県58
45高知県38
46鳥取県33
47山梨県32
第一種及び第二種エネルギー管理指定工場等の指定状況(令和2年9月末時点)
第一種/第二種エネルギー管理指定工場等一覧(全国:計7280工場)~令和2年9月
第一種及び第二種エネルギー管理指定工場等の都道府県別指定状況(令和2年9月末時点)
  • 愛知県、大阪府、兵庫県というように大手メーカの工場が密集しているエリアが多い傾向にあります。
  • 北海道、福岡県は食料品製造業の指定が多い傾向にあります。

まとめ

エネルギー管理士(=「エネルギー管理士免状」の交付をうけているもの)が行うことが出来る職務

  • 特定事業者/特定連鎖化事業者において、エネルギー管理企画推進者に選任されることが出来る。
  • 第一種エネルギー管理指定工場(製造業、鉱業、電気供給業、ガス供給業、熱供給業の5業種)のエネルギー管理者として選任されることが出来る。
  • 第一種エネルギー管理指定工場等に係る現場管理(第一種指定事業者の場合)および第二種エネルギー管理指定工場等のエネルギー管理員として選任されることが出来る。

エネルギー管理企画推進者の役割

  • エネルギー管理統括者を実務面から補佐
    1. 経営的視点を踏まえた取組の推進
    2. 中長期計画のとりまとめ
    3. 現場管理に係る企画立案、実務の統制

エネルギー管理者およびエネルギー管理員の役割

  • 第一種および第二種エネルギー管理指定工場等に係る現場管理

今回はここまでとさせて頂きます。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。